半末本

とあるアニメ好きの塾講師がアニメレビューや考察をしていきます。記事を読んでいただいたみなさんが新しい知見を得られることができればと思い、アニメから学べることを主に書いています。インスタ→http://Instagram.com/zikkamm

京都アニメーション制作『氷菓』第1話〜「奇を衒った」行動の中に見られる「不器用な優しさ」の始まり〜

こんにちは。

結構色んなアニメが大好きで、どのアニメについて記事を書こうか迷っている状態です(笑)

その中で、今回は『氷菓』というアニメを取り上げます!

 

 

アニメ『氷菓』とは?

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(出典:公式ホームページより)

京都アニメーションという(神)様制作の青春群像劇です。

キャッチコピーは、「青春は、優しいだけじゃない。痛い、だけでもない。ほろ苦い青春群像劇。」

原作は米澤穂信さん著作の小説です。内容がかなり深く、大学の入試問題でも小説の問題の中で取り上げられたくらいです。

このアニメから得られることは大きいと思います。出来たら1話ずつ上げていきたいとは考えています。

 

 

あらすじ

「やらなくてもいいことはやらない。やらなければいけないことなら手短に。」

省エネ人生をモットーとした高校1年生の折木奉太郎が主人公。勉強にも部活にも恋愛にも興味を示さない奉太郎。

しかし、人数がいないから入ってほしいと姉から頼まれて廃部寸前の古典部の部室に足を赴く。

しぶしぶ古典部の部室に着いた奉太郎は、そこで一人の美少女と出会う。彼女の名前は千反田える。彼女はとても好奇心旺盛で、その旺盛さに奉太郎は巻き込まれていく…。


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(出典:公式ホームページより)

 

 

※以下は第1話に関する考察です。ネタバレを大いに含みます。

第1話をご視聴いただいてからお読みください。

 

 

 

第1話のテーマ

「不慣れなやつほど奇を衒う」

女郎蜘蛛の会の勧誘メモを見つけたときに奉太郎が言ったセリフです。

 

奇を衒う」という慣用句があります。

みなさん、この言葉どういう意味だと思いますか?

 

「奇を衒う」…「わざと変わった事をして、他人の注意をひきつけようとする。」(精選版 日本国語大辞典

「衒う」→「実際以上によく見せかける」という意味で、「本当は才能がないのにも関わらず」というニュアンスが含まれます。

つまり、

本当は才能がないのに、わざと変わったことをして、他人の注意を引きつけて、実際以上によく見せかける」という意味になります。

周りにそのような人はいませんか?一人はいそうですよね。

みなさんはこの言葉に対してどんなイメージを持たれましたか?恐らく悪いイメージを持たれたのではないかと思います。

しかし、この『氷菓』では少し違うイメージではないかと思います。このアニメの中での「奇を衒う」とはどういうことなのか、ど「不慣れ」なのかを見ていきます。

 

 

①女郎蜘蛛の会の会長は不慣れ??

女郎蜘蛛の会は、総務委員に見つからないようにこっそりと会を作っています。また、総務委員にバレないように勧誘もひっそりとしている。それが噂になり、神山高校には総務委員に公認されていない部活があると言われ、注目を集めます。勧誘メモは、他の部が貼っている勧誘ポスターの裏に貼る。

そんな女郎蜘蛛の会のやり方に対して、奉太郎が「不慣れなやつほど奇を衒う」と言い放ちます。


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(出典:公式ホームページより)

 

 

②でも、本当に不慣れなのは奉太郎??

もちろん、上記に関しては奉太郎の自作自演。初めに千反田が里志に話していた七不思議その2は、音楽室の話。実際に音楽室に行って確かめるのは帰り道から遠ざかり、面倒。そう考えた奉太郎は、七不思議その1があるのではないかと気づきます。その1は、自分で勧誘メモを1つ貼るだけで話を解決させて、千反田の好奇心を満たすことができ、そのまま帰ることができる。そう考えた奉太郎は、里志に七不思議その1を、千反田に話すように仕向けます。そして、実際に勧誘ポスターが貼られている場所に行き、自分で貼った女郎蜘蛛の会の勧誘メモを見せつけ、千反田を納得させます。

何という自作自演…!!どれだけ遠回りせずに帰りたいんですか…!と突っ込みたくなる(笑)

ところが、里志はそんな奉太郎に対して「不慣れな奴ほど奇を衒うというのは、奉太郎のことではないか」と指摘します。

 

 

★なぜ、「不慣れな奴ほど奇を衒う」のが奉太郎に当てはまるのか?

帰り道から遠ざかる音楽室に行かないようにしたいという動機は省エネをモットーとする奉太郎には理に適っています。

ところが、そのやり方が「不慣れ」だったんですね。

好奇心を振りかざす千反田に対して完全に拒絶をして一人で帰るのではなく、千反田の気を引き付け、好奇心を満たして納得させたうえで帰る。しかも千反田を騙すような形で練りこまれた自作自演までして。これは、2つの意味で「不慣れ」です。

1つは、「不慣れ」な省エネではない行動をとったことです。

省エネをモットーとしている奉太郎にとって、自作自演をするようなことは、明らかに省エネでなく、「不慣れ」です。

2つ目は、人を騙すことに「不慣れ」だったということです。

「女郎蜘蛛の勧誘メモを探す」と千反田に提案した奉太郎の顔は明らかに引きつっている。勧誘メモを不自然になることなく見つけるために言った時も顔が引きつっています。勧誘メモが見つかったあとに不思議そうにしている千反田を見たときは、目を伏せて罪悪感すら感じていそうです。

前半のカギの事件で抜群の推理力を見せつけた奉太郎ですが、人を欺く力には長けていなかったのです。正しく「不慣れな形で衒って」いたのです。

そうして省エネをモットーとしている奉太郎が明らかに省エネとは逆の行動で、千反田を何とか騙そうとしている様子を「不慣れ」だと里志は感じたのでしょう。

 

 

 

★なぜ奉太郎はそんな不慣れな行動をとったのか?

結論としては奉太郎なりの「優しさ」だと思います。

奉太郎は省エネをモットーとしていますが、エネルギー消費の大きい生き方を軽蔑しているわけではありません。むしろ敬っています。千反田もその一人です。千反田の好奇心アタックから何とか逃れて早く帰りたい。でも、純粋に好奇心をふりかざしてくる千反田を拒絶しては千反田を傷つけてしまう。そう考えたからこそ、あんな「不慣れ」なやり方を取ったのではないかと思います。結果的に騙してしまったので、本当に「優しい」と言えるかは懐疑的ですが、奉太郎なりの「不器用な優しさ」と考えることはできそうです。本人は全く自覚していませんが。。

 

そう考えると、自分の才能以上を見せつけようとする「奇を衒った」行動も、相手のこと「も」思った上での行動と考えると、悪いことばかりでもないかもしれません。

 

さて、このアニメの主題歌である「優しさの理由」とは、一体何なのでしょうか…?


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(出典:公式ホームページより)

 

 

 

まとめ

第1話から考察のしがいがあるアニメです。

とりあえず、えるたそがかわいいですね(笑)

氷菓』は岐阜県を舞台としたアニメです。聖地巡礼に行ったことがあるので、その画像もまたインスタに載せようと思います!

アニメ『新世界より』を最後まで見るべき3つの理由〜メッセージが強く表れる作品!〜

こんにちは。

塾の方は、通塾とオンラインが同時に走り、バタバタです(笑)最近、全然更新できてなかったです。。久々の更新です!

今回は『新世界より』というアニメを取り上げます。この作品は、U-NEXTでたまたまオススメに上がったていたので、何となく観てみたら、これがすごく面白かった!!特に後半部分が引き込まれていってしまいましたね。

ただ、すごく名作だと言われてるのに、敬遠されがちなこの作品。「作画が何か変」「鬱な展開ばかりで見ていて嫌になる」と感じて、最後まで観ずに切ってしまう人もいるらしいです。。何と勿体ない…!!

折角の名作だからこそ、一人でも多くの人にこのアニメを観てほしい。そこで、今回は、『新世界より』を最後まで観た方がいい理由を伝えていこうと思います。まだ全く観られていない人も、この記事をきっかけに、アニメを観ていただけると嬉しいです!


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(出典:公式ホームページより)

 

 

 

1.独特の世界観!

この作品は本当に世界観が独特で、ものすごく引き込まれていきます。

 

1-1 独特の舞台設定

舞台が1000年後の日本。超能力(この作品では呪力と言われる)が当たり前の時代になっていて、学校も呪力の教育がメインとなっています。

じゃあ、1000年後ということもあって、科学も発展し最新技術が使われ、そこら中に高層ビルやAIが蔓延っているのかと想像されるのですが、それが全然違うんですね…!

周囲は田園だらけで、高層ビルなんて1つもない!私は周囲が自然に囲まれた中で育ってきたのですが、その景色を彷彿させるような、「ザ・田舎!」という風景なんですね。まずその設定だけで普通と違って面白い!


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(出典:公式ホームページより)

で、何でこんな田舎な状態なのか?呪力(超能力のこと)がまだ大人全員が使える時代ではなかったとき、呪力を持つものと持たないものによる大規模な戦争が起こって、様々なものが失われてしまったというのが理由みたいです。

この舞台設定を聞いて、このアニメはある意味『とある科学の超電磁砲』の舞台の成れの果ての姿ではないかと感じました。『とある科学の超電磁砲』は、『とある魔術の禁書目録』という作品のスピンオフ作品で、舞台が学園都市と呼ばれる科学が大発展した『ザ・科学都市』です。ここでは超能力の教育や研究が行われているのですが、全員が超能力を使えるわけではありません。レベル0、いわゆる無能力者もたくさんいます。この作品の中でも、無能力者と能力者の対立が見られる場面があり、無能力者が能力者を倒そうと非合法な手段を使っているシーンもあります。作中に出てくるそれらの争いは規模としては、そこまで大きくないですが、これがやがて大規模になってしまうと、『新世界より』のような戦争が起こり、今(1000年後の日本)のような状況になってしまうのではないかと想像しました。

 

1-2 独特の生き物


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(出典:公式ホームページより)

この作品には、「化けネズミ」と呼ばれる獣が登場します。その見た目が何とも独特…!彼らは人間と同じく知能を持っています。この化けネズミが人間世界に多大な影響を及ぼしていきます。

 

 

 

2.伏線がしっかり回収される!

序盤は正直、意味不明なところが多いです。初見だと「?」がいっぱい浮かびます。それらが後半になってきっちり回収されます。しかも、絶妙なタイミングで!

 

2-1 日本の歴史について


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(出典:公式ホームページより)

大量に伏線として張られるのが、第4話。そこで、子供たちはなぜ日本が現在のような姿になってしまったのか、その歴史を知ることになります。ここで大量に情報が与えられるのですが、実は大事な部分が抜けています。ここが終盤になって、明らかにされます。「?」が「!」に変わる瞬間があります。その真実を知ったときの喪失感はハンパなかったです。。

 

2-2スクィーラの挙動不審な動き
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(出典:公式ホームページより)

この作品では、人間たちが住む世界の外に、化けネズミと呼ばれる獣も日本に住んでいます。人間と獣は八丁標と呼ばれるしめ縄で隔離されています。子供たちは八丁標の外に出て、化けネズミたちが住む世界に行くシーンがあります。先程の日本の歴史を知ったのも八丁標の外での話です。子供たちは歴史を知ったあとに化けネズミに出くわします。化けネズミは知能を持ち、集団でコロニーを形成しています。人間の言葉もしゃべることができ、人間に対してとても従順で、忠誠的です。その中でスクィーラという名前の塩屋虻コロニーを形成している棟梁に子供たちは出会います。化けネズミは外来種もいて、そいつらは人間を襲ってくるのですが、塩屋虻コロニーを形成する化けネズミは在来種で、人間の味方になってくれます。ただ、その棟梁であるスクィーラの行動が実は挙動不審なのです。安全な道を連れて行くと言いながら、外来種の化けネズミが大量に出てくる危険な場所であったり、一緒に戦っている間に急に逃げたりします。これが第5〜7話の話ですが、以降も度々このスクィーラは登場し、不可解な点を見せつけてきます。スクィーラーの目的が徐々に判明し、最後の方では、「マジか!!」と言いたくなるようなことも発覚します。一体スクィーラーは何を目的に動いていたのか??

 

2-3 「偽りの神に抗え」

この作品のキャッチコピーである、「偽りの神に抗え」という言葉。「偽りの神」とは一体誰のことなのでしょうか?作品を観ていくに従って、この言葉の真の意味が分かってくると思います。「確かに!」となるはずです。

 

 

 

3 製作者の強いメッセージが感じ取れる!

このアニメはキャラクターよりもストーリー性に重きを置いています。その分、製作者が伝えたいメッセージも大きくなります。ここでは、ネタバレにならない程度に製作者(原作者含む)のメッセージを考察していきます。

 

3-1 今後の日本の姿を警句?

アニメの中では実際に舞台となる場所の名前をもじっていたりすることがあります。ただし、このアニメの中でははっきりと、「1000年後の日本」であったり、「茨城県」や「利根川」、「東京都」というように現実世界の場所の名前がそのまま使われています。アニメの中の舞台である「神栖66町」は、茨城県の「神栖市」であり、町と市が異なるだけです。いわゆる、よく使われるパラレルワールドとは違うものです。このことに関して、原作者(小説)の貴志さんは以下のように語っています。

あくまでも現代の我々の社会と地続きで、この世界が出来上がったという設定にしたかった。

(公式ホームページより)

ある意味、日本がこのまま進むと、この『新世界より』に出てくるような状況になってしまう可能性もあることを示唆しているようにも思えます。具体的にどんな状況になってしまうのか、そこはみなさんの目で確かめてほしいと思います!

 

3-2 人間とは何なのか?

このアニメの中では、化けネズミと呼ばれる、人間と同等と言ってもいいくらい知能のある生き物が登場します。彼らは、二足歩行で言葉も喋り、集団を形成してコロニーを作り、戦争をしたりもします。「人間と化けネズミの違いは何なのか?」そんなことを考えさせられるようになります。

また、人間について考えさせられるものの中に、「業(ごう)」というものがあります。原作者の貴志さんもこのように語られています。

自分が原作で一番描きたかったこと、誰もが持つ人間の"業(ごう)"のようなものを大切に描いてほしいと思います。

(公式ホームページより)

「業」とは何なのか?「業」とは、「人間の行為」です。良い業も悪い業もタネとなって、その人のもとで不滅することなく残り続けます。第2話では、悪い業を積み重ねてしまい、「業魔」になってしまった逸話が語られています。「業」というものは、化けネズミにはなくて、人間にだけあるものなのだろうか?そんなことも考えたりしながら観てみると、より味わい深く鑑賞できるのではないかと思います!


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(出典:公式ホームページより)

 

 

 

まとめ

いかがでしたか?

原作者の貴志祐介さんは、インタビューの中で、この作品は30年以上かけて小説を完成されたと仰っています。30年という数字を見たとき、驚愕しました。そんなに長い期間をかけて1つの作品を作り出したのかと。そりゃ、その小説を原作としたアニメの中にも色んな思いが詰め込まれているわけです。

最後まで見通せば必ず得られるものはあります!是非最終話の最後まで観てほしいと思います!因みにアニメは2回通して観たのですが、内容がはっきり分かる2回目のほうが観終わったあとの喪失感がハンパなかったです(笑)

また今後ネタバレを含んだ更なる考察もしていこうと思っています。小説は未読なので、早く読まなければ…!!

新世界より』を観て、新たな知見を得ましょう!

『SHIROBAKO』7、8話 〜自分の絵に悩む絵麻が解決した方法とは?〜

こんにちは。

今回は、『SHIROBAKO』を題材にしたいと思います。


SHIROBAKO』とはどんなアニメ?

【概要】

題名の『SHIROBAKO』は、制作会社が納品する白い箱に入ったビデオテープを指す映像業界の用語である「白箱」に由来する。白箱は作品が完成した時に関係者が最初に手にすることができる成果物であり、本作は白箱の完成を目指して日々奮闘するアニメ業界の日常を、5人の夢追う若い女性を中心に描いた群像劇である。

上山高校アニメーション同好会の宮森あおい、安原絵麻、坂木しずか、藤堂美沙、今井みどりの5人は、学園祭で自主制作アニメーションを発表し、卒業後いつかもう一度、共に商業アニメーションを作ろうと「ドーナツの誓い」を立てた。

その2年半後、アニメーション制作会社「武蔵野アニメーション」に就職したあおいは、同社7年ぶりとなる元請け作品『えくそだすっ!』に制作進行として携わることとなり、多忙な日々を過ごしていた。スケジュール管理のため奔走するあおいを嘲笑うかのように、次々とトラブルが発生する。予定通りに上がらない原画、こだわりから仕事を増やす監督、社内で対立する2D班と3D班、過密日程の中で欠けていくスタッフ。あおいは制作進行の同僚や、作画・演出・背景・音響・仕上・撮影といった各パートのスタッフと力を合わせ、それらのトラブルを乗り越えながら成長していく。(Wikipediaより)


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(出典:公式ホームページより)


アニメーション制作会社を舞台としたアニメです。アニメーション制作の話ではありますが、色んな仕事に共通しているところがあり、観ていて共感するところがたくさん出てきます。

今回は、その『SHIROBAKO』で語られていることから、仕事観について考えていきたいと思います。

 

 

SHIROBAKO 7話 「ネコでリテイク」

郷里から姉がやってくる──そんなバタバタした状況で会社に向かうあおい。そこで待ち受けていたのは、同じ制作進行の先輩である落合が退職するというニュースだった。あおいは少なからずショックを受ける。複雑な気持ちで、絵麻の原画の回収を行っていた彼女だったが、会話の最中、急に絵麻の顔が曇り出す。絵麻は悩んでいた。巧くなろうと丁寧に描くと、量が描けない。だが早く描こうとすると巧く描けないというジレンマに──。(公式ホームページより)

 

そんなジレンマに陥った状態の絵麻に、大先輩の杉江さんがアドバイスを絵麻にします。

●「若いときでないと、手の速さは身に付かない。」

●「速く描くには巧くなる、巧く描くにはいっぱい描く、いっぱい描くには速く描く」

●「技術とスピードは全く別の問題」

●「年を取って技術を身に付けても、1日にかける量はそんなに変わらない、寧ろスピードは落ちていく」

●「周りにうってつけの手本がいる。小笠原さんや、井口さん、彼女らも安原さんと同じ壁を乗り越えてきたのだから、相談にのってもらえればいい。」

●「仕事へのこだわりは、手の速さを手に入れてから少しずつ」


しかし、それらの言葉を絵麻の心には残念ながら響きませんでした。


そんな状態の中で仕事を続ける絵麻。。ある日、同じアニメーターの先輩である瀬川さんからダメ出しを受けてしまいます。

瀬川さん

「今回もらったカット、安原さんが元々持ってた真面目さとか几帳面さとかが全然無くなってる。こんな手の抜き方、覚えちゃダメ。」

 


絵麻のことを心配になった宮森はお姉さんに相談します。すると、お姉さんはこう呟きます。

かおり姉さん

「真面目がいい方向に働くこともあれば、悪い方向にも働くことがある。真面目な人ほど自分を追い詰めるし、自分を見失いやすい。」

 

 

スピードとクオリティの崩壊

絵麻の心情は以下のようなものだと考えられます。

●「本当は丁寧に時間をかけて完璧に作りたい…!」

●「でも、時間もかけられない。限られた時間の中で完璧に作れない自分がダメなんだ…。」=自分を責めてしまう

●「どうせ完璧に作れないなら、クオリティは諦めよう…。」=粗雑に仕上げてしまう。


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(出典:公式ホームページより)


こういった思考は、完璧主義な真面目な人ほど陥りやすいと思います。実際、作中でも絵麻の真面目さが色んな場面で表れていました。

《絵麻の真面目さ》

🔸節約するためにお昼はいったん家に帰って食べている。

🔸自分が未経験のこと(動物の絵を描くこと)にも自らチャレンジする。

🔸🔹座席率が一番高い。

🔹自分の描いたカットが評価されなかったときに、完全に自分を責めてしまう。


その真面目さが良い方向に出ることもあれば、今回みたいに悪い方向に出てしまうこともあるということです。

 

 

SHIROBAKO 8話 「責めてるんじゃないからね」

落合の退職をきっかけにして、自分に夢があるのか考え始めるあおい。何はともあれ原画の回収に赴く。立ち寄った瀬川の自宅。その雑談の最中に、あおいは、以前絵麻に対してキツイことを言った瀬川の真意を聞く──。一方その当人である絵麻はスタジオで、イライラの只中にいた。リアルな猫を描くことができない、そんな彼女を見かねて総作画監督補佐の井口が声を掛ける。悩みを明るく受け止める井口は、突然絵麻を散歩に誘い……。(公式ホームページより)


なかなか上手くいかない絵麻に対して、井口先輩が出動します!井口先輩は絵麻を散歩に連れ出して、絵麻にアドバイスをします。


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(出典:公式ホームページより)

井口さん

●「(私が)巧かったとしたら、真似が巧かったんだよ。最初から巧くオリジナルで描けるわけないじゃん。」

●「(会社の)倉庫に行って、昔好きだった作品の原画を見せてもらって、自分が描きたいと思う原画を真似して、真似から自分なりの表現できるように四苦八苦して…。」

●「新人は先輩が描いた動きのパターンを掴んで真似する、自分なりの表現は、それから。」

●「学ぶというのは、真似ぶと言う。みんな最初は誰かの真似。」


絵麻はそのアドバイスを聞き、実際にネコに触ることで、描けそうだという希望が湧いてきます。そして、自分のデスクに戻り、黙々と作画に挑むのでした。

 

 

🔴守破離の心


この7話と8話を観て、「守破離の心」という言葉が思い浮かびました。

 

守破離」とは?

「剣道や茶道などで、修業における段階を示したもの。」

「守」は、師や流派の教え、型、技を忠実に守り、確実に身につける段階。

「破」は、他の師や流派の教えについても考え、良いものを取り入れ、心技を発展させる段階。

「離」は、一つの流派から離れ、独自の新しいものを生み出し確立させる段階。(goo辞書より)


もとは剣道や茶道などの修行で使われる言葉だったらしいのですが、今では仕事などでもこの言葉を耳にする人もいるのではないでしょうか。

まずは真似をすることから。真似ができてから、自分のオリジナルを出していく」ということです。

いきなりオリジナリティを出そうとすると、頓挫してしまうから、まずは誰かの真似をしようということですね。それが、仕事をしていくうえで、すごく大事なことだと私は思います。

 

 

まとめ


SHIROBAKO』は、この話以外にも、仕事をするにおいて、すごく大事なものが詰まっているアニメだと思います。

特に社会人になりたての人は是非観てほしいアニメです!!色々と学べることが多いと思います。また、感動するところもたくさんあって、私自身もう5回以上は観ています(笑)

このアニメを観て、またこのブログを読んで何か新しいことの学びがあればと思います。

『とある科学の超電磁砲』都市伝説:幻想御手(レベルアッパー)とパーソナルリアリティについての考察

こんにちは。

とある科学の超電磁砲』が好きで、何度も見ているブログ主です。

超電磁砲と言えば、やはり都市伝説!(笑)

この都市伝説抜きでは物語が進展しないと言っても過言ではありません!(笑)

どんな都市伝説があるかは4話で語られています。


【4話で言及された都市伝説】

・いきなり脱ぎだす女、脱ぎ女。

風力発電のプロペラが逆回転するとき、街に異変が起きる

・夕方4:44に学区をまたいではいけない。幻の虚数学区に迷い込む。

・使うだけで能力が上がる、レベルアッパー。

・どんな能力も効かない能力をもつ男。


これらはあくまでネット掲示板に書き込まれた都市伝説です。

が、初春が続けて言います。

「本当に起きた出来事が形を変えて噂になっている場合もある」と。


今回はその中で、幻想御手(レベルアッパー)を取り上げます。

 

【レベルアッパーに関する事件】

◆レベルアッパーが実在すると分かるまでの経緯

使うだけで能力が上がると言われている、レベルアッパー。その珍妙さから都市伝説として扱われていました。


ところが、事件を起こした人物の能力のレベルとバンクに記載されているレベルと差があることから、黒子たちは不審に思うようになります。

・第1話の銀行強盗を起こしたパイロキネシスト。

・第3話の常盤台狩りの眉毛女。

・第7話が中心のグラビトン事件。 etc..

第8話で再び佐天さんからレベルアッパーの話を聞いて、もしかしたら本当に闇でレベルを上げるものが取り引きされているのではないかと考えるようになります。


そこでネットを調べてみると、実際にレベルアッパーを使用している連中の溜まり場があることわかります。連中から話を聞き出そうと動き出しました。この時点で細かい話は聞き出せませんでしたが、本当に使われてるのではないかという可能性は一気に高まりました。


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(出典:公式ホームページより)


そして、事件が起こります。グラビトン事件を起こした犯人が昏睡状態になって入院しているということを聞きます。そして、その入院しているリストの中にはあの常盤台狩りの眉毛女の姿も…!これでいよいよレベルアッパーの存在が確実なものに近づいてきました。


◆レベルアッパーは実在する!その製造目的は?

そんな中で佐天さんは音楽ダウンロードのサイトの隠しリンクからレベルアッパーを見つけてしまいます。ところが、レベルアッパーを所持している人は副作用の危険性を考慮して保護されているということを聞いて、黒子たちには言えず、隠し持って使ってしまいます。


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(出典:公式ホームページより)


黒子はレベルアッパーを所持していた男からレベルアッパーは音楽であることを聞きますが、佐天さんが実際にレベルアッパーを持っていることをまだ知らないということもあり、本当かどうかまだ疑っている状態です。

ところが、レベルアッパーの本体である音楽プレーヤーが聴覚を刺激するのと同時に他の五感にも刺激を働きかけることができれば(いわゆる「共感覚性」)、あり得る話であるということに気づきます。

また、医者(御坂曰くリアルゲコタ(笑))の話によれば、レベルアッパーを使用している人の脳波パターンが一致していることから、誰かに無理矢理脳を弄くられていて、そのことから人体に影響を与えているのではないかということを聞きます。

御坂と黒子はジャッジメント支部で固法先輩と話をする中である重要なことを発見します。それは、単独では弱い能力しか持っていなくても、ネットワークと一体化することで、能力の処理能力が向上する。そのネットワークの構築の役割を果たしているのがレベルアッパー。そして、AIM拡散力場(=能力者が無自覚に発する微弱な力)によって、同系統の能力者の思考パターンが共有されることで、より効率的に扱えるようになる。そうして、バンクを調べることで脳波パターンが一致した人物が大脳生理学者の木山春生…!つまり、この木山がレベルアッパーを使って事件を引き起こしていたということが分かります。


木山はレベルアッパーで集まった脳波を演算装置として、学園都市最大のツリーダイアグラムの代わりに用いようとしていました。

木山はなぜレベルアッパーを用いて1万人もの脳波を集めたのでしょうか?

能力の暴走条件を調べるために人体実験とされた子供たちを助けるためです。彼らはチャイルドエラーといって、身寄りのない子供たちで、木原幻生という科学者によって預かられていました。ところが、彼はマットサイエンティストで、表向きは子どもたちのAIM拡散力場の制御をするという名目で裏では暴走能力の誘発実験を行っていました。子どもたちはそのモルモットにされていたのです。子供たちを助けるためには学園都市最大の演算装置であるツリーダイアグラムが必要なので、木山はその使用許可を23回申請したのですが、全て拒否されてしまいます。学園都市の上層部の統括理事会がグルになっているのを知り、自分の力で子供たちを助けるためにツリーダイアグラムの代わりとなるものを生み出そうとしました。それがレベルアッパーです。1万人もの脳波が集まれば、ツリーダイアグラムと同程度の演算装置になり得るであろうと考えたのです。


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(出典:公式ホームページより)


ところが、そのことを知らない御坂によって木山の思惑は止められてしまいます。すると、今度はネットワークが暴走し、木山の元から離れていきます。それは、レベルアッパーによって束ねられた触媒となって生まれた潜在意識の怪物の姿となって、表に顔を出してきます。アンチスキルが交戦するも全く歯が立ちませんでしたが、レベルアッパーの治療プログラムと御坂の超電磁砲によって怪物は倒されます。そのことによって事件は一旦収束を迎えました。f:id:sv5010401820:20200524162619j:image

(出典:公式ホームページより)

 

 


【考察】

みなさんは、このレベルアッパーの話を通してどのように感じられましたか?

私は、

「自分との向き合い方」

ということを感じました。それについて、以下述べていこうと思います。


★なぜレベルアッパーを使用してしまったのか?

レベルアッパーは、ツリーダイアグラム代用となる演算装置として、実験体にされた子供たちを助けるために木山春生によって開発されました。レベルアッパーを使用した人たちの脳波を制御します。

しかし、使用者側は自分の能力が簡単に上がるという甘い話に疑いもせずに乗っかり使用してしまいます。佐天さんも躊躇しながらも結局使用してしまいます。

なぜ彼らはレベルアッパーを使用したのか?


作中で「パーソナルリアリティ」という話が出てきます。

初春曰く「思い込みや信じる力などの強い気持ち」で、超能力の基盤になるものです。「自分はできるんだ」という自己肯定感のようなものです。

このパーソナルリアリティを正常に持てていれば、努力をして能力を自分自身の力で上げていきます。その最たる例が御坂美琴。彼女は今でこそレベル5ですが、最初は平凡なレベル1でした。それが、並々ならぬ努力によってレベル5に上がったことが作中でも言われています。

ただし、能力を上げようと頑張ったとしても、上げられない人もいます。最初は夢見て学園都市に来たのに、全く能力が上がらずに、落胆してしまいます。恐らくその度に「いや、もっと頑張れば自分はできるはず」という気持ちを持つでしょう。ところが、それが何度も続き、成果が全く上がらないことが分かると、その信じる気持ちはプツッと途切れてしまいます。パーソナルリアリティが消失してしまうということです。そして、自分は結局頑張ったって無理という喪失感に変わります。でも、能力は上げたい。その結果、紛い物と分かっていても他人者である「レベルアッパー」に手を出してしまうのではないかと考えられます。佐天さんも、他人には気にしていない素振りを見せながらも内心では自分がレベル0であることをかなり気にしていました。そして、ズルであると分かっていながらも、能力者に憧れてつい使ってしまいました。

このように、パーソナルリアリティが無くなり、自己の力では能力を上げることができないと感じてしまったので、レベルアッパーにすがってしまったのだと考えられます。

 


★レベルアッパー使用を通じて

ところが、レベルアッパーを使用した人たちは昏睡状態に陥ってしまいます。

御坂や初春たちによって、意識は取り戻されます。その中の1人の佐天さんは意識を取り戻したあと、初春にこう伝えます。

能力なんかよりも大事なものを失うところだった。

レベルアッパーの使用を通じて、佐天さんは能力以外に大事なものの存在に強く気付かされます。

そして、第14話「特別講習」で、佐天さんはパーソナルリアリティについて再考します。

「自分の、自分だけの現実」とは何なのか?御坂や黒子、初春の顔が思い浮かばれます。

「能力が無かったとしても、彼女たちと一緒にやり遂げていく。そのために自分が出来ることも何かあるのではないだろうか。それを見つけるためにももう一回頑張ろう。」

という気持ちになったのではないかと思います。


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(出典:公式ホームページより)

 

そんな思いで大活躍したのが、第24話「Dear my friends」。

キャパシティダウンという能力者が不快に感じ能力を上手く使用できなくなる武器にみんながやられている時に、佐天さんは動き出します。そして、キャパシティダウンを発している管理室に行き、それをバットで叩き壊して、みんなを助けます。これはもう佐天さんだからこそ出来ること。そして、何より能力が無い自分にもきっと出来ることはあるはずというパーソナルリアリティを獲得していたからこそ成せた行動なのだと思います。このシーンは本当に何度見ても心がスッキリします。

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(出典:公式ホームページより)

 

 

★私達の世界でのパーソナルリアリティ

私達の世界でも同じようなことが言えるのではないでしょうか。学園都市が能力至上主義であるなら、私達の世界は学歴至上主義。能力者が進学に有利なのと同じようにして、私達も偏差値によって進学の選択肢が絞られる。また、学歴によって就職先に有利になるかどうかも変わる。でも、実際は勉強だけではないはず。それ以外のことで生きている人もいます。私達塾講師は勉強が出来てなかったら、生徒に教えられないですが(笑)

自分にできることは何なのか。超電磁砲でいう「パーソナルリアリティ」です。それを見つけるのは簡単なことではないと思います。でも、色んな経験をすることによって、自分の得意なこともわかり、それが徐々に見えてくるのではないかと思います。私の場合はアニメが好きなので、こうしてアニメを見て感じたことをブログで書いて、読む人に何か少しでも新しく感じてもらえることがあればと思っています。それが自分に出来ることではないかと思い、行動を続けています。なかなか毎日は更新できないですが(笑)

 

 

 

まとめ


レベルアッパーの事件は、パーソナルリアリティを考える機会を与えてくれたのではないかと思います。

みなさんのパーソナルリアリティは何でしょうか?それを一度深く考えてみてもいいと思います。そうすれば、自分の限界を突破して、何か新しい自分に出会えるかもしれませんジャン!


何よりここまで深く考えさせられる超電磁砲、本当に面白いです!!私も引き続きアニメブログを続けていこうと思います!

『とある科学の超電磁砲T』15話「やくそく」感想 〜警策と食峰とドリーの感動エピソード〜

今回は一週飛ぶこともなく、放送されました!ありがたき幸せ…!

とある科学の超電磁砲T』第15話を見ていきます。今回は警策、食峰、ドリーがメインの話ですね。


★自分の感情に正直なドリーとの出会い

第15話は、警策看取の回想シーンから始まります。


園都市でうまくやっていくには、研究者の先生に取り入るのが一番だ。


この考えのもと、警策はとある研究機関で能力研究の手助け(=実験)に協力していました。


そこに同じ研究機関で実験されているドリーの面倒を見てほしいとお願いされます。

初めは警策も鬱陶しがっていたのですが、ドリーの屈託のない笑顔で接してくるのを肌で感じていくことで、徐々に心を開いていきます。普段は研究者に愛想笑いをふりまいている警策ですが、ドリーにだけは素のままの自分でいられるような感覚を覚えていきます。


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(出典:公式ホームページより)


そんなとある日のこと。警策の実験後、ドリーと人◯ゲームで遊んでいるとき。なぜドリーは外に出てはいけないのかということを警策から聞かれたことに対して、ドリーは、

「治療のため。治療がうまくいったらたくさんの妹ができる」

と答えます。完全にシスターズですね。。ただ、ドリーをどのようして大量の妹たちを生み出すのでしょうかね…?

 


★ドリーの秘密を知った警策は…?

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(出典:公式ホームページより)

警策はいつの間にか、ドリーと遊ぶのが楽しみになって、実験が終わったらすぐにドリーのもとに駆けつけるようになります。

ある日、ドリーの部屋に入るとまだドリーは治療中もとい実験中でした。ドリーの体を見て、警策は驚きを隠せなくなります。体に機械が埋め込まれていたのです。研究者からは、治療のための生命維持装置であるということを聞きますが、警策は疑問に思います。そこで、警策は自身の能力を使って、研究のデータを盗み見します…!


「学園都市でうまくやっていくには、研究者の先生に取り入るのが一番だ。邪魔だてなんて、以ての外。」

その考えは間違っていたということに気付き、警策は研究者のもとに行きます。


「ドリーの投薬を中止してください!」


警策は研究者にお願いをします。

やはり、ドリーはこれから量産されるクローンの第一号でした。

クローンでありながらも、何ら人間と変わりのないドリーと接した警策は更に続けて訴えかけます。

クローンだって私達と同じです!命があります!

ところが、研究者は耳を貸そうとしません。それどころか、このドリーの実験は学園都市の上層部である統括理事会が主導しているというとんでもない事実を警策につきつけます。

更に研究者は続けて言い放ちます。

「クローンも君たち能力者も、学園都市では等しく実験材料に過ぎない」と。


ドリーの秘密を知った警策は捕らえられ、研究機関の暗室に監禁されてしまいます。

ところが、ある日を境に研究機関には誰も人がいなくなります。ドリーの部屋に行き、窓の外に見える統括理事会の建物が目に入った瞬間、警策は宣戦布告します。


実験動物にだって、お前たちにつきたてる牙があることを教えてやる


統括理事会に復讐の意を決して行動しますが、全くうまくいかず、制止されてしまいます。

そんなある日、木原幻生のもとに連れて行かれます。木原は憎悪に満ちた警策の目を見て、仲間にしようと呼びかけたのでした。

 


★ドリーの製造目的を知り…。

そこで、警策は目を覚まし、現在に。

黒子にやられ倒れているところに、食峰操祈が近づいてきます。

警策は、食峰からドリーと同時期に作られた妹がいるということを聞きます。

ドリーの製造目的は、

・クローン技術の確立

・クローン間の情報共有を行うネットワーク構築

の2つあったということです。後者は完全に御坂ネットワークのことを指しますね…。

ドリーの記憶と経験は、そのもう1つの個体に全て転送されて、その個体は今もある研究室で眠っていると。ということは、ドリー自身はもう生きていないということかな…?

警策は、ドリーの妹に会いに行くために、食峰についていきます。


一方そのころ、ジャッジメント支部では。

黒子の退院を祝してパーティーが行われていました(笑)

黒子や初春、佐天さんの記憶の中に、御坂の記憶がしっかりと残っていることに、御坂は嬉しく感じます。

 


★ドリーとの再会!


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(出典:公式ホームページより)

警策は食峰に連れられて、ドリー(の思考を共有した妹)と再会します!

当時と同じような動作をお互いがしていることから、2人ともずっと相手のことを思っていたことが伝わり、グッと感動が押し寄せてきます…!

触峰は当時ドリーを助けられなかった罪悪感から初めはドリーに視線を向けられないでいました。ところが、そんなことを全く気にせず、また3人で一緒にいたいというドリーの言葉を聞いて、笑顔をドリーに向けます。色んな重いものが一気に解き放たれた食峰の笑顔、心が洗われます(笑)


また、ドリーが海に行きたいと言ったことが、御坂ネットワークを通じて、御坂妹も同じようにして海に行きたいと言っていた演出も感動です!


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(出典:公式ホームページより)


まとめ

「クローンだとしても命を持った同じ生き物である」ことを感じている人が、御坂美琴以外にもいるということを感情的に知れた第15話でした。

しかも、警策・食峰・ドリーの関係のことをまだ御坂は知らないというところが、これからの物語展開をすごく期待させてくれます!

きっとこれから御坂がドリーのことを知って、警策や食峰と共闘して統括理事会に立ち向かっていく日が来るのではないかと感じています!

笑いあり、涙あり、思考ありのとあるシリーズはやっぱり面白い!!

次回は7月末ですね。。でも、時間をかけて良いものが作られるなら、待ちます!!すごく楽しみです。

『とある科学の超電磁砲T』14話感想「竜王の顎」~桃李として宝物を守っていく!~

こんにちは。

最近ハマっているアニメの中の1つに、『とある科学の超電磁砲』があります。今は、『とある科学の超電磁砲T』として、3期が放映されています。今日は現時点(5/19時点)で最新の14話を見ていこうと思います!


14話「竜王の顎」

 

★ドラゴンストライク!!


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(出典:公式ホームページより)

更に強大化している御坂を何とか止めようと上条当麻が突っ込もうとします。

足りない部分は根性でカバーしてやるしかない。

上条はそう削板に言い放ちます。確かに自分は力不足でこの状況も分からず、御坂を止められるかどうかは分からない。でも、やるしかないという上条の強い覚悟が見られます。やっぱりカッコいい!!

そして、黒い塊に右手が届くが、右手が吹っ飛んでしまいます。ところが、そこから出てきたのは何と8体もの竜!一瞬、遊戯王の「ブルーアイズホワイトドラゴン」が脳裏に浮かびました(笑)

その竜達が次々と異次元の呈をなしている黒い塊を噛みちぎり、黒い塊は消えて無くなります。

これ、大覇星祭って、確か禁書目録でいったら、Ⅱの序盤辺りだったから、禁書目録Ⅲでフィアンマと闘う前から既にこんな力を上条さんは隠し持っていたのか!そりゃ、フィアンマさんも上条の右腕を欲しくなるはずだ(笑)

 

 

★御坂の渦巻く思いと上条の救いのセリフ

こうして、無事御坂は元の姿に戻ります。

御坂はこの黒い塊の元凶は、学園都市のイヤな部分を潰したいという自分の気持ちから生み出されたものだと考えています。それが、巨大化して学園都市を丸ごと吹き飛ばすくらいの力に増大してしまったのだと。

・チャイルドエラーへの非人道的実験

・レベル6シフト計画によるシスターズ大量虐殺

園都市の闇の部分を知っていて止めたいと思っているのにどうしようもできない自分。そんな苦悩が黒い塊を生んでしまったのだと。


ところが、同じく学園都市の闇の一部を知っている上条は御坂に対してこう言いかけます。

力ずくで排除するってやり方じゃ仮に成功しても、おまえが望む世界にはならないと思うんだ。

俺以外にもおまえを助けようとがんばってたやつ、心当たりあるだろ?そいつらと少しずつ変えていけばいいんだ。もちろん俺も協力する

いや、上条さん、あなたイケメンすぎるでしょ!毎回思うがあなた本当に高校生ですか!?(笑)

 

 

★謎の右腕+シャドウメタル!?(伏線か?)

我に戻った御坂は、上条の右腕の心配をします。ところが、千切れたはずの右腕は元通り。一体ういうことなんでしょうねぇ。。?

もう一つ伏線となりそうなセリフは、削板の「なんだあの金属?」きっと佐天さんが探し求めているシャドウメタルのことなんでしょうが、どうして、それが発生したのか?上条が右腕が切れたときに生み出したものか、はたまた黒い塊がはじかれたときに生まれたものなのか、また明確になるのかな?

 

 

★桃李成蹊


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(出典:公式ホームページより)

御坂は御坂妹と婚后さんのいる病院に向かいます。2人とも無事でした。

御坂は婚后さんにこんなことに巻き込んでしまって本当に申し訳なかったと頭を下げて謝罪をします。

婚后さんは怒るどころか、自分が望んでやったことだと語ります。

そして、「桃李成蹊」=「桃李もの言わざれども下自ずから蹊をなす」という言葉を呟きます。

御坂さんのような人望のある立派な人は、みんなも自然とついていくということを伝えます。そして、この言葉はそっくりそのままブーメランとして(良い意味で)婚后さんに返ってきます。自分のために湾内さんや泡浮さんが体を張って助けてくれたという事実を知り、嬉しくて顔を赤らめます。今まで立派な人物という言葉の意味を間違って解釈していた婚后さんにとっては、これが桃李成蹊ということなのかとハッと気付いた瞬間だったのでしょう。顔を赤らめる姿がかわいいことです(笑)

 

 

★食峰と歩み寄れる日が…!?

病院を出た御坂は黒子、初春、佐天さんと再会します。3人とも記憶が元に戻っていました。食峰が記憶を元に戻したのでした。

今回の一件を通じて、食峰なりの正義や信念があったのではないかと思うと、もしかしたらいつか一緒に歩み寄れるのではないかと御坂は感じます。確かにいつか共闘する日が来そうですね。まぁ、御坂が大覇星祭から居なくなった理由が、トイレに籠城してたからという事実にすり変わられたのを知って、再び殺意を剥き出しにするのですが(笑)

 

 

★学園都市で出会った宝物を守っていく御坂の決意


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(出典:公式ホームページより)

 

何やかんやでこうして大覇星祭も無事終わり、最終日の夜です。御坂がみんなの飲み物を買いに行っている間にかの英雄上条さんが出現します。佐天さんに借り物競走のときにお守りを貸してもらったことへのお礼を言います。そこに御坂が戻ってきて上条を見るなり顔を赤らめます。すると、佐天さんと初春は二人して何かピカーんと!

突然、佐天さんは上条さんフォークダンスに誘います。一体どういうことだ、佐天さん!?喉を潤してから行くので先に行っててくださいと言い、上条を見送るやいなや、猛烈なスピードで足痛芝居を始めます(笑)そして、自分は出られないから御坂に代わりに出るようにお願いをします。なるほど、そういうことか(笑)黒子が罠だと気づき、佐天さんを制止しようとするが、初春に足止め(口止め)されます(笑)その勢いがすごい!


そうして、御坂は恥ずかしながらも上条さんフォークダンスを踊ります。その中で御坂は上条に伝えます。「この街に来たからみんなに会えたし、その出会いが宝物になってて、だから今度はみんなを守りたい。それだけがせめてもの恩返しになると思うから。

とても良いことを言ったのに、上条は自分も宝物なのかーと、御坂をからかう(笑)そこに、黒子のキックが繰り出されたところで、終了。


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(出典:公式ホームページより)

 

 

 


まとめ


今回の14話は上条さんの千切れた右腕から竜が出てきたという驚愕な事実に加えて、御坂や婚后の気持ちが大きく変化した、非常に密の高い展開だったように思います。

変な新型ウイルスが流行ってますが、何とか休止にならずに続きを見られていることに感謝です。次回でどうやら大覇星祭編はラストらしいので、どう終わるのか楽しみですね!

 

 

『かぐや様は告らせたい』2期6話 感想 〜大事なのは積み重ねと、伝え方〜

かぐや様2期の6話がすごく感動したので、レビューしたいと思います!みなさんはこの6話、どう感じましたか?私が感じたことを書いていこうと思うので、そんな考え方もあるのかと感じてくれたなら幸いです。

ネタバレを多いに含みますので、視聴後に読んでいただけたらと思います。

 

圧勝以上の勝ち方とは?

選挙が始まる前。前生徒会が話し合いをしています。石上が言い放った「あなた方なら、それ以上(圧勝)の勝ち方ができるはず」とはどういうことなのでしょうか?


伊井野側の応援演説。淀みない言い方で相当練習していたことが分かります。ところが、聴衆の集中は散漫で、聞いていない人も多いことが分かります。


一方、四宮の応援演説。まずハウリングを使って、教師含めてほぼ全員を四宮に意識を向けさせます。何というスマートなやり方!説明中は藤原が教師を反白銀派の近くに位置させ、反抗の声を言わせないようにします。そして、石上が作成した資料を使って、白銀前生徒会長の業績を分かりやすく伝えます。というか、生徒会の応援演説でパワーポイント使うって、ガチやわ。。

そのようにして、徹底的に相手を潰していきます。


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(出典:公式ホームページより)


いよいよ伊井野の立候補演説。しかし、もう既に前生徒会側にねじ伏せられてしまっています。。もうこれで白銀派の圧勝は確実!!

ところが、そこで石上が伊井野に関して語りだします。普段から偉そうに井伊野に指摘されてるやつらにとっては、井伊野が前でモゾモゾしている姿は笑えて仕方ないと。でも、そこで呟きます。

でも、いらつくんですよ。頑張ってるやつが笑われるのは。

石上は、みんなから嫌われてるけど、頑張ってる井伊野を助けてあげたいみたいなんですね。井伊野の頑張りが報われてほしいと考えています。でも、目が怖いっす(笑)


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(出典:公式ホームページより)


そこで、伊井野がなぜ今のような融通の利かない真面目ちゃんになったのかが描かれます。

なるほど、両親が正義の仕事をしていて、仕事が忙しくて帰ってこれないのは悪いやつらが多くいるせいだと。みんながちゃんとしていればいいんだと考えたわけですね。

でも、その伝え方に失敗しています。。遊び盛りの小学生にとって遊びを奪われるのは敵でしかないですからね。誰も伊井野の熱心な思いを汲み取ろうとはしない。高校生になった今でも同じです。正しい行動をとっているのに、その正しさが全くうまく伝わっていない。むしろ疎ましく思われている。


頑張ってる人が笑われるのはいやという言葉を聞いて、白銀が動き出します。あがってしまって何も喋れていない伊井野に対して、「時間の無駄。あほらしい公約をかかげるな。反論があるなら俺に向かって言いなさい」と伊井野に伝えたうえで、優しい目を井伊野に向けます。


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(出典:公式ホームページより)


なるほど、上がり症である伊井野の意識を聴衆から白銀に向けさせることで、聴衆を気にせず自分の思いをぶつけさせることにしたのか!石上の思いを汲み取って、伊井野を助けてあげたいという気持ちから、自分が敵役になる演出をその場で思いついて行動したというところが凄すぎる!!!

そうして、伊井野は上がることなく、自分の思いを白銀にぶつけます。


そして、結果は白銀320票、伊井野280票で伊井野は惜しくも負けてしまいます。ところが、みんなから寄せられた声は、非難の声ではなく、称賛の声。伊井野の思いが全員ではないが伝わる人には伝わったのです。頑張ったことが報われた瞬間です。

石上が冒頭に言っていたのはこのことだったんですね!ただ単にねじ伏せて圧勝するのではなくて、敵に塩を送って伊井野が頑張ったことが報われるような勝ち方をしたかったということ。伊井野が笑っている姿を見て、微笑ましく思っています。


ところが、四宮は白銀の行動にメンタルをやられています。誰に対しても優しい会長は自分のことを特別扱いしていないのではないかと。

ところが、そんなことはありませんでした。四宮が寝込んでいるところに白銀は駆けつけ、あの行動を起こせたのは四宮達が居てくれたからからだ、「俺にはお前が必要だ」と四宮に訴えかけます。シビレますねぇ。。


四宮も元通りになり、書紀に藤原、会計に同じく石上がつき、新生徒会長が始まります。

そして、そこに更に一人参加することに…!

 


★「大事なのは、積み重ねと伝え方」

今回の話のテーマはここなのではないかなと思います。石上が四宮の応援演説の時に言ったセリフです。

まず頑張って積み重ねることが大事。それがなければどれだけ上手く演説したとしても、中身が無い。

ところが、ただ積み重ねるだけでは、相手には自分の思いは伝わらない。伝え方が大事。伊井野側の応援演説は正統なことを言っているのだが、聴衆が聞こうという姿勢になっていないため、せっかく良いことを言っていても相手には伝わらない。一方、四宮の応援演説はみんなを聞ける体勢にしたうえで、話にのめり込めるような工夫をこらす。また、伊井野は、白銀のフォローのおかげで自分の思いをきちんと伝えられるようになった。

場面が変わるが、白銀が四宮のことを必要としていることを、くどくど言わずに直球でぶつける。


いくら良いものを積み重ねたとしても、伝え方が悪ければ相手には伝わらない。だけど、伝え方1つを変えれば、きちんと相手には伝わる。

そのようなことを認識させてくれた話だったように感じました。

 

 

 

まとめ

色んな駆け引きがあって、退屈させられない展開にいつもドキドキしながら観ている『かぐや様は告らせたい』の2期です。

伊井野が加わった新生徒会がどうなっていくのか、楽しみです!