半末本

とあるアニメ好きの塾講師がアニメレビューや考察をしていきます。記事を読んでいただいたみなさんが新しい知見を得られることができればと思い、アニメから学べることを主に書いています。インスタ→http://Instagram.com/zikkamm

『SHIROBAKO』5、6話 感想 〜「不易流行」とは?〜

みなさん、お元気にお過ごしでしょうか?

緊急事態宣言も発令されて、家でお仕事をされている方も多いのではないかと思います。

私は塾講師の仕事をしているのですが、今は休校中で、お家で引きこもり中です(笑)

こんな時期だからこそ、自分の仕事や人生について、じっくり考える機会が多くなるのではないでしょうか?

そんな時はアニメ『SHIROBAKO』を見て、自分の仕事観を見つめ直して、これからの人生に活かしていきましょう!

 

 

アニメ『SHIROBAKO』とは?f:id:sv5010401820:20200410194643j:image


題名の『SHIROBAKO』は、制作会社が納品する白い箱に入ったビデオテープを指す映像業界の用語である「白箱」に由来する。白箱は作品が完成した時に関係者が最初に手にすることができる成果物であり、本作は白箱の完成を目指して日々奮闘するアニメ業界の日常を、5人の夢追う若い女性を中心に描いた群像劇である。

上山高校アニメーション同好会の宮森あおい、安原絵麻、坂木しずか、藤堂美沙、今井みどりの5人は、学園祭で自主制作アニメーションを発表し、卒業後いつかもう一度、共に商業アニメーションを作ろうと「ドーナツの誓い」を立てた。

その2年半後、アニメーション制作会社「武蔵野アニメーション」に就職したあおいは、同社7年ぶりとなる元請け作品『えくそだすっ!』に制作進行として携わることとなり、多忙な日々を過ごしていた。スケジュール管理のため奔走するあおいを嘲笑うかのように、次々とトラブルが発生する。予定通りに上がらない原画、こだわりから仕事を増やす監督、社内で対立する2D班と3D班、過密日程の中で欠けていくスタッフ。あおいは制作進行の同僚や、作画・演出・背景・音響・仕上・撮影といった各パートのスタッフと力を合わせ、それらのトラブルを乗り越えながら成長していく。

 

2月29日に劇場版も放映されています!


今回は、その中でも5話と6話から考えていこうと思います。

 

 

5話と6話のあらすじf:id:sv5010401820:20200410194702j:image

事件は武蔵野アニメーションで始まった──。太郎は遠藤の怒りの原因を、あおいへと語り出す。作画で描かれるはずの見せ場カットを、監督が「3Dに変更しようか」と言いだしたことが発端だった。その旨は太郎から、該当カットの原画担当だった遠藤へと伝わる。だが伝達の際、口に出た余計な一言が、遠藤をカチンとさせた。遠藤と3D監督の下柳との間を行き来する太郎。伝言ゲームは次第に悪い流れになっていき……

遠藤との一件は、あおいの担当話数にまで波及する。手の打ちようがなくなり、ついにデスクの本田へと相談。監督判断となるも、その監督がスタジオを抜け出してしまい、収集がつかない。遠藤本人も捕まらず、太郎が自宅まで赴くことに──。事が大きくなっていく中、あおいは、学生時代一緒にアニメを作り、今は下柳と同じく3DCGを生業とする会社で働く美沙に現状を相談する。そこで美沙から出た言葉は、驚くべきものだった。

 

2D?or  3D?

5話と6話の中心内容は、爆発のカットを2Dで描くか、3Dで描くかという対立。

 

【意見①】

遠藤

→「2Dの一番の見せ場は作画!」と言うくらい、3Dを完全に敵対視していることが分かります。

下柳

→「今の3Dは時間さえあれば作画でできることはほぼ表現できる」というセリフから、2Dもよいけれど、3Dの方がより良いと考えていることが分かります。

 

【意見②】

北野(2D遠藤の尊敬する人物)

・「俺たち絵描きが歩み寄って、3Dアニメーターの使うツールの長所も短所も知って、彼らと協力して、アニメの質を上げていく」

・「お前(遠藤)の描く絵が通用しなくなっても、技術を生かす方法はあるんじゃないのか?鉛筆がタブレットに変わってもセンスは必要とされる」

→2Dアニメーターの人ですが、質の高いアニメを作るためには、相対する3Dアニメーターとも協同していく必要があると考えています。

 

【意見③】

矢野(宮森の先輩)

「3Dのアニメが主流になるが、手描きのアニメは無くならないと思う。手描きを活かした表現もたくさんあるし。でも、結局、上手くて情熱のある人しか残れないかも」

→時代が変わってもセンスがある人は、生き残っていけるという考えです。


そんな中、総務から「イデポン展」の案内が入る…。


◆イデポン展

→遠藤がアニメーターになろうと思ったきっかけが「イデポン」というアニメ。その展示。

宮森が遠藤をイデポン展に連れていくが、そこで下柳と偶然会います。そこで、「イデポン」という、アニメーターを志そうとした共通のきっかけのアニメに対して遠藤と下柳が熱く語り合います。

 

◆イデポン展を見て…

下柳「初心を思い出した」

遠藤「作画とか3Dとか言ってたら、イデポンみたいな(偉大な)作品は出来ない」

 


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◆遠藤はもう一度職場に戻って徹夜で描く

下柳「原画見ました。すごかったです。」

遠藤「アニメーターとして悔しいけど、(3Dのモーション)、素晴らしかったです」

→お互いの存在を認め合いました。


遠藤「3DのCGソフト、触らせてもらっていいですか?俺もちょっと勉強しないと。」

下柳「作画の動きも取り入れたいので、3Dのモーション見てもらってもいいですか?」

→相手に歩み寄り、より素晴らしい作品を作ろうと協同するようになりました!!

 

 


5話、6話を見て感じたこと

 

★不易流行

「いつまでも変化しない本質的なものを忘れない中にも、新しく変化を重ねているものをも取り入れていくこと。また、新味を求めて変化を重ねていく流行性こそが不易の本質であること。」(goo辞書より)

 

★この考え方をこの5話、6話に当てはめると?


●不易(本質)

→より素晴らしいアニメを作っていくこと

流行

→作画や3Dなどの手段


つまり、「描き方に新しさを求めて変化を重ねていくことで、よりよい作品を作っていく」ということではないかと思います。

 

そして、これはアニメーション業界だけでなく、、


★どんな仕事にも「不易流行」というのはあるのではないか?


私は塾講師として働いていますが、

●不易(本質)

→子供たちがより幸せになれるようにすること。

●流行

→ライブ授業やタブレット授業の特性を知った上で、最善の教育を考える

 

外出自粛がされている昨今、今までにオンライン学習が流行っていくと考えられます。ただ、手段が変わったとしても、塾の先生は生徒の成績を上げることが本質です。オンライン学習はそのための手段で、そこの本質は見失ってはいけないと思います。

 

 

こんな風に、色んな業界で「不易流行」という考え方が当てはまるのではないでしょうか?

「何のために仕事をしているのか?」

この機会に、自分の仕事について「不易流行」の観点で自分の大事にしたい本質は何か、そして、今後どのような働き方をしていけるかを考えてみてはいかがでしょうか?