『SHIROBAKO』7、8話 〜自分の絵に悩む絵麻が解決した方法とは?〜
こんにちは。
今回は、『SHIROBAKO』を題材にしたいと思います。
『SHIROBAKO』とはどんなアニメ?
【概要】
題名の『SHIROBAKO』は、制作会社が納品する白い箱に入ったビデオテープを指す映像業界の用語である「白箱」に由来する。白箱は作品が完成した時に関係者が最初に手にすることができる成果物であり、本作は白箱の完成を目指して日々奮闘するアニメ業界の日常を、5人の夢追う若い女性を中心に描いた群像劇である。
上山高校アニメーション同好会の宮森あおい、安原絵麻、坂木しずか、藤堂美沙、今井みどりの5人は、学園祭で自主制作アニメーションを発表し、卒業後いつかもう一度、共に商業アニメーションを作ろうと「ドーナツの誓い」を立てた。
その2年半後、アニメーション制作会社「武蔵野アニメーション」に就職したあおいは、同社7年ぶりとなる元請け作品『えくそだすっ!』に制作進行として携わることとなり、多忙な日々を過ごしていた。スケジュール管理のため奔走するあおいを嘲笑うかのように、次々とトラブルが発生する。予定通りに上がらない原画、こだわりから仕事を増やす監督、社内で対立する2D班と3D班、過密日程の中で欠けていくスタッフ。あおいは制作進行の同僚や、作画・演出・背景・音響・仕上・撮影といった各パートのスタッフと力を合わせ、それらのトラブルを乗り越えながら成長していく。(Wikipediaより)
(出典:公式ホームページより)
アニメーション制作会社を舞台としたアニメです。アニメーション制作の話ではありますが、色んな仕事に共通しているところがあり、観ていて共感するところがたくさん出てきます。
今回は、その『SHIROBAKO』で語られていることから、仕事観について考えていきたいと思います。
SHIROBAKO 7話 「ネコでリテイク」
郷里から姉がやってくる──そんなバタバタした状況で会社に向かうあおい。そこで待ち受けていたのは、同じ制作進行の先輩である落合が退職するというニュースだった。あおいは少なからずショックを受ける。複雑な気持ちで、絵麻の原画の回収を行っていた彼女だったが、会話の最中、急に絵麻の顔が曇り出す。絵麻は悩んでいた。巧くなろうと丁寧に描くと、量が描けない。だが早く描こうとすると巧く描けないというジレンマに──。(公式ホームページより)
そんなジレンマに陥った状態の絵麻に、大先輩の杉江さんがアドバイスを絵麻にします。
●「若いときでないと、手の速さは身に付かない。」
●「速く描くには巧くなる、巧く描くにはいっぱい描く、いっぱい描くには速く描く」
●「技術とスピードは全く別の問題」
●「年を取って技術を身に付けても、1日にかける量はそんなに変わらない、寧ろスピードは落ちていく」
●「周りにうってつけの手本がいる。小笠原さんや、井口さん、彼女らも安原さんと同じ壁を乗り越えてきたのだから、相談にのってもらえればいい。」
●「仕事へのこだわりは、手の速さを手に入れてから少しずつ」
しかし、それらの言葉を絵麻の心には残念ながら響きませんでした。
そんな状態の中で仕事を続ける絵麻。。ある日、同じアニメーターの先輩である瀬川さんからダメ出しを受けてしまいます。
瀬川さん
「今回もらったカット、安原さんが元々持ってた真面目さとか几帳面さとかが全然無くなってる。こんな手の抜き方、覚えちゃダメ。」
絵麻のことを心配になった宮森はお姉さんに相談します。すると、お姉さんはこう呟きます。
かおり姉さん
「真面目がいい方向に働くこともあれば、悪い方向にも働くことがある。真面目な人ほど自分を追い詰めるし、自分を見失いやすい。」
スピードとクオリティの崩壊
絵麻の心情は以下のようなものだと考えられます。
●「本当は丁寧に時間をかけて完璧に作りたい…!」
●「でも、時間もかけられない。限られた時間の中で完璧に作れない自分がダメなんだ…。」=自分を責めてしまう
●「どうせ完璧に作れないなら、クオリティは諦めよう…。」=粗雑に仕上げてしまう。
(出典:公式ホームページより)
こういった思考は、完璧主義な真面目な人ほど陥りやすいと思います。実際、作中でも絵麻の真面目さが色んな場面で表れていました。
《絵麻の真面目さ》
🔸節約するためにお昼はいったん家に帰って食べている。
🔸自分が未経験のこと(動物の絵を描くこと)にも自らチャレンジする。
🔸🔹座席率が一番高い。
🔹自分の描いたカットが評価されなかったときに、完全に自分を責めてしまう。
その真面目さが良い方向に出ることもあれば、今回みたいに悪い方向に出てしまうこともあるということです。
SHIROBAKO 8話 「責めてるんじゃないからね」
落合の退職をきっかけにして、自分に夢があるのか考え始めるあおい。何はともあれ原画の回収に赴く。立ち寄った瀬川の自宅。その雑談の最中に、あおいは、以前絵麻に対してキツイことを言った瀬川の真意を聞く──。一方その当人である絵麻はスタジオで、イライラの只中にいた。リアルな猫を描くことができない、そんな彼女を見かねて総作画監督補佐の井口が声を掛ける。悩みを明るく受け止める井口は、突然絵麻を散歩に誘い……。(公式ホームページより)
なかなか上手くいかない絵麻に対して、井口先輩が出動します!井口先輩は絵麻を散歩に連れ出して、絵麻にアドバイスをします。
(出典:公式ホームページより)
井口さん
●「(私が)巧かったとしたら、真似が巧かったんだよ。最初から巧くオリジナルで描けるわけないじゃん。」
●「(会社の)倉庫に行って、昔好きだった作品の原画を見せてもらって、自分が描きたいと思う原画を真似して、真似から自分なりの表現できるように四苦八苦して…。」
●「新人は先輩が描いた動きのパターンを掴んで真似する、自分なりの表現は、それから。」
●「学ぶというのは、真似ぶと言う。みんな最初は誰かの真似。」
絵麻はそのアドバイスを聞き、実際にネコに触ることで、描けそうだという希望が湧いてきます。そして、自分のデスクに戻り、黙々と作画に挑むのでした。
🔴守破離の心
この7話と8話を観て、「守破離の心」という言葉が思い浮かびました。
「守破離」とは?
「剣道や茶道などで、修業における段階を示したもの。」
「守」は、師や流派の教え、型、技を忠実に守り、確実に身につける段階。
「破」は、他の師や流派の教えについても考え、良いものを取り入れ、心技を発展させる段階。
「離」は、一つの流派から離れ、独自の新しいものを生み出し確立させる段階。(goo辞書より)
もとは剣道や茶道などの修行で使われる言葉だったらしいのですが、今では仕事などでもこの言葉を耳にする人もいるのではないでしょうか。
「まずは真似をすることから。真似ができてから、自分のオリジナルを出していく」ということです。
いきなりオリジナリティを出そうとすると、頓挫してしまうから、まずは誰かの真似をしようということですね。それが、仕事をしていくうえで、すごく大事なことだと私は思います。
まとめ
『SHIROBAKO』は、この話以外にも、仕事をするにおいて、すごく大事なものが詰まっているアニメだと思います。
特に社会人になりたての人は是非観てほしいアニメです!!色々と学べることが多いと思います。また、感動するところもたくさんあって、私自身もう5回以上は観ています(笑)
このアニメを観て、またこのブログを読んで何か新しいことの学びがあればと思います。